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風琴亭

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カテゴリ:風琴亭の本棚( 8 )

【7日間ブックカバーチャレンジ⑦】

7日目最終日です。

Joachim Ernst Berendt, Nada Brahma

ヨアヒム・エルンスト・ベーレント「世界は音 ナーダ・ブラフマー」人文書院 1986年

ベーレントはジャズの批評家として大変有名だったらしいのですが、私はこちらの本からベーレントの世界に入りました。

響き・音・ことばを軸に、

 世界の初めから終わりまで、

 東洋・西洋・南米・チベット・インドなどあらゆる民族や宗教を通して、

 あらゆる学術分野を通して

 核の振動から宇宙の振動まで

 見えるもの見えないもの何もかもを包括して

「世界は音である」

「世界は音からできている」

「音は響き、振動」

「世界や宇宙は振動している・調和するものである」

と。

(内容があまりにも壮大なので、どうやってまとめて良いのか困っています。)

3日目にご紹介した「水は答えを知っている」の江本勝氏は

「言葉はそれぞれが固有の振動数をもち、宇宙に影響するエネルギー」であり「口から発せられた言葉は、パワーをもった言霊としえ万物に作用します。自然の教えてくれる言葉は、創造主の言葉でもあるのです。」(p.186)

と述べられています。

4日目にご紹介したいんやくりお君は

「(...)時間の粒も、ものの粒も、光の粒も、みんな同じ。

だから、ものは時間で、できているんだ。

(...)

粒と粒が集まると、のりみたいに、くっつく。

心も、肉も、みんな、粒が集まってできている。

神様も粒。地球も粒。星も粒。

みんな同じ、目に見えない小さい粒で、できている。

骨も、肺も、髪の毛も、みんな小さい粒でできている。(...)」

(p.113)

と、全ては一つの同じ存在だと描写しています。

これらの、そしてもちろんこれ以上の多くの書籍や思想に触発されて、私の中では2016年のあいちトリエンナーレで採択していただいた舞台芸術公募プログラムという形で、一つの舞台としてのまとまりを形成することができました。私のオルガニスト人生の中で、最も楽しかった、そしてとても重要なプロジェクトの一つです。再演したいなあ...

http://aya-yoshida.de/past_concerts/2016年9月24日%E3%80%80祈る人、そして世界の調和へ/

http://aya-yoshida.de/past_concerts/祈る人%E3%80%80プログラム解説/

(HPはあまり手入れできていなく荒れっぱなしです...)

プログラム解説をご覧いただくとわかる様に、このプログラムそのものはベーレントの「世界は音」からたくさん参考にさせてもらいました。たくさんついている付箋は、その時のものです。

(「キャラバン・サライ」という言葉はベーレントの著書にも、芸術監督の港氏のコンセプトにも、同じ様な意味合いで出てきたので、もしかしたら、港氏のコンセプトにはベーレントが影響しているのかな?とも思いました。)

これからも、自分を探しながら世界を探し音楽を探し、響きと調和を探し続けるのだろうなと思います。

パイプオルガンは、一本ずつのパイプは一つの音色しか出せないけれど、たくさんのパイプが響きあうことによって音楽が生み出されます。

地球や宇宙でもそうなるといいなと願い、今、私にできる「オルガンを弾く」ということを続けていきたいと思っています。

明日はお客様にはいらして頂けませんが、15:30からカトリック五反城教会で弾きます。私たちがオルガンの響きのうちに幸せや祈りを感じることができるように、畑を耕し、種を蒔き、育ててくださった方々に捧げます。

私たちに音楽や芸術から与えられる幸せが、未来を創造する力となりますように。


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by mausmirabilis | 2020-05-16 20:13 | 風琴亭の本棚

【7日間ブックカバーチャレンジ⑥】

6日目です。

林和利「古今東西ニッポン見聞録」風媒社 2014年

昨日は、日本人としての自分とヨーロッパの思想や文化を自分の内面から考察するという観点で「沈黙」を挙げましたが、今日ご紹介する本は、その反対位置からのものです。

魏志倭人伝、東方見聞録、ザビエル、フロイス、ヴァリニャーノらの宣教師やシーボルド、ハーン(小泉八雲)、タウト、クローデルからドナルド・キーン、李御寧まで古代から昭和まで「外国」の視点から見た日本の様相がコンパクトに紹介されています。

「外側」から見た外国は大概美しさや魅力に溢れていますが日本だって美しいだけの国ではありません。

その国を「外側」と「内側」から知るのには、その国の人間として言葉や文化や伝統を自分のものとして知り、受け入れ、自分もその国の一部として生きていく必要があると思います。

本書をそれぞれの書物のダイジェストとして読むのもわかり易くて楽しいですし、それよりも筆者の狂言・能、そして日本文化そのものの専門家としての、時代に沿った明快な注釈や考察が加わることにより、「外側」からの書評だけではなく「内側」からの視点も含めて多面的・立体的にそれぞれの書物の魅力と、日本の美しさや伝統、日本人の感じ方、捉え方、考え方を改めて知ることができます。

著者の林和利先生とは、先生のご退官まで4年ほど職場を一緒にさせて頂きました。共通の知人がいることや、当時の学舎へ同じ市バスで通うルートだったことからも、特に親しくさせて頂きました。博識・典型的な「学者」でありながら、人懐っこい笑顔と楽しいお話で全く偉ぶることがない、私がとても敬愛している先生です。

ご自身も狂言や謡曲を嗜まれますが、特に深いバリトン音域の声音には作曲家である私の夫がひきこまれ、夫の作品「パイプオルガン、打楽器、朗読の為の『我らの主イエス・キリストの継承について〜M.コルベ、D.ボンヘッファー、聖書による7つの続唱〜』 (1992)」の上演に於いては、コルベ神父、ボンヘッファー牧師の言葉と最期の時の描写および聖書の句の朗読という、大変重い内容の朗読を「林先生以外に考えられない」と、お願いした経緯があります。
林先生は五線譜を読まれないので、冒険的と言えば冒険的でしたが、素晴らしい共演をさせていただきました!

是非また再演したいです。日本中で。


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by mausmirabilis | 2020-05-15 20:10 | 風琴亭の本棚

【7日間ブックカバーチャレンジ⑤】

5日目です。
遠藤周作「沈黙」(1966)

学生の頃は、なぜ自分がパイプオルガンなどというディープな西洋の楽器を弾いているのだろうか、とか、日本人でありながらカトリックというのはどういう存在なのだろうか、などという自分のアイデンティティーに関していろいろと考えることもあり、遠藤周作、そして曽野綾子や三浦綾子の作品を読みふけっていました。
日本に帰るたびに文庫本をトランクに詰めてドイツへ帰り、入手できる本はほぼ全て読みました。今思うと、なんでそんなに時間があったのかと不思議ですが......。今は自分の好きな本を読んでいる余裕がなかなかないですが、あの頃たくさん読めて良かったなあと思っています。ご飯食べながらも、寝る前も、移動の時も、練習の合間も本を読んでいたし、かばんには絶対2冊ぐらいは文庫本を常備していた。
ドイツに19年いて日本食を恋しいと思ったことはないけれど(今でも特に必要なくて炊飯器ありません...)、日本の文字は重要な栄養でした。

遠藤周作つながりで、佐藤愛子や田辺聖子、北杜夫の作品もほぼ完備していたほか、林真理子も楽しかった。向田邦子も大好きで、ボロボロになるぐらい読み返したし。あと、好きだったのは、池波正太郎。真田シリーズだけ読んでいませんが、あとは多分読破している。時代物からみでは平岩弓枝も好きです。一人の作家に傾倒して読んでいくタイプです。(中学生の頃は平井和正とか。幻魔大戦シリーズも狼シリーズも何回も読んだ...。)
遠藤周作を起点に、キュブラー=ロスを初めとする死生学系の本も随分読んだし、そこから松谷みよこや柳田邦夫に飛んだり、随分影響を受けていると思います。

...ですが、文芸作品で一番強い印象を受けたのは、やはり「沈黙」。
その頃はドイツにいたけれど、ドイツではなく日本でオルガンを弾いていくんだろうなあって心の奥にあり、しかし、なぜあえて日本で楽器も少ないオルガンで、何を伝えたいんだろうっていう自分探しの旅を、「沈黙」を読みながら何度も何度もしていた時代もありました。アイデンティティーに関しては、かなり早い時期に、私は私と開き直りましたが。

で、今日はなぜその本のカバーではないかというと、本が増えすぎてドイツから引っ越す時に持ち帰れず、文庫本の全部と、結構な量の書籍を現地の日本人会に引き取ってもらって、それ以来買っていないから。

また、そろそろ文庫本を一冊ずつ買って読みためていきたいなあと思うのですが、近眼なのでコンタクトや眼鏡をしていると、このごろ文庫本の細かい字が見えなくなってきた.......。


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by mausmirabilis | 2020-05-14 20:03 | 風琴亭の本棚

【7日間ブックカバーチャレンジ④】

4日目です。
いんやくりお「自分をえらんで生まれてきたよ」サンマーク出版 2012年(サンマーク出版が続きます、特に意味はないですが。)

胎内記憶を持ち、そして「ちょっぴり個性的な心臓と肺をもって」うまれてきたりおくんの、9歳までのたくさんの言葉をおかあさんが集めたものです。

胎内記憶についてや、自分の病気について(幸せになるためだよ)だけではなく、人が宗教や哲学を通して探し求めているのではないかと思うこと〜神様、心、魂、人生、幸せ、宇宙、見えるものと見えないもの〜などを、いとも簡潔かつ的確に表現するのが心に深く響きます。
大学の図書館読書プロジェクトでも、学生への推薦図書としています。


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by mausmirabilis | 2020-05-13 20:02 | 風琴亭の本棚

【7日間ブックカバーチャレンジ④】

3日目です。

江本勝「水は答えを知っている」サンマーク出版 2006年

この本をご存知の方も多くいらっしゃると思います。
水に様々な言葉や音の波動を与え、その水から氷の結晶を作った時に、それぞれがどのような結晶になるのか。
それらが写真として収められているので、良い言葉をかけられた水の結晶とそうでない結晶、様々な音楽を聴いた後の水の結晶、祈りが込められた水の結晶など、見ているだけでも不思議で神秘的なものを感じます。

水と波動の関係から、江本氏は様々な水の答えを私たちへ伝えてくれます。
人はどこから来て、どこへ行くのか。
わたしたちは今、何をするべきなのか。
宇宙とは何か。無とは何か。

愛と感謝を響きに込めれば、その響きが波紋のように広がっていくこと。どなたかに受け取ってもらったら、そこからまた波紋が広がっていくこと。振動と振動が響きあえば、調和=ハーモニーが生まれること。
調和のあるところには幸せと平和があること。
そんなことを確信させてもらい、音楽家としてだけではなく、生きて行く指針をいただいた本の一つです。

......しかし、ワインの水分はどんな結晶なのだろう?と少々気になります......


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by mausmirabilis | 2020-05-12 19:57 | 風琴亭の本棚

【7日間ブックカバーチャレンジ②】

すみません、2日めにして既に微妙な内容です。バトンを渡してくださった方、後悔しているのではないかと、申し訳なく思っております。

全然文学とか文芸ではないです。

料理本です。

言い訳は以下につらつらと…。

(言い訳)
中学を卒業してドイツに行って、4か月ドイツ語学校に行きました。(Goethe Institut)
高校の新年度に合わせて9月から、先生のお宅に住ませて頂きながらオルガンの勉強を始めましたが、4か月でドイツ語ができるようになる訳ではなく、しかし先生の家も高校もドイツ語のみ。
なかなかドイツ語も憶えられず使いこなせずで大変でした。
でも、何故か料理本を見ているのはすごく楽しくて、先生の奥様の料理本を片っ端から眺めていたら、お料理の本好きなの?と、先生のお嬢様からクリスマスにもらったのがこの本。
奥様の料理がとても美味しかったのと、食い意地が張っているのとで、ドイツ最初の2年間のドイツ語は、料理本からもかなり憶えることができたと思います。具体的に想像しながら読み進めるのが良かったのかな。

と言うことで、本日は私のドイツ語の教科書をご紹介させて頂きました。

(以下くだらない雑談)
これから晩ご飯の準備します。
和食大好き&ただ今(半年以上前から!)ダイエット中の夫(ドイツ人!)のリクエストで、毎晩お豆腐や湯葉や刺身こんにゃくやらをパックから剥いては出しております……。
ポルチーニのクリームソースや、レモンバターソース、オランデーズソースが恋しくてたまりません……😅
(で、昨日堪らずパスタ茹でてグラタンにしたら今朝300g体重増えてたし)

お粗末でございました。


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by mausmirabilis | 2020-05-12 19:53 | 風琴亭の本棚

【7日間ブックカバーチャレンジ①】

Facebookの方で流行っているようで、FBからバトンがまわってきましたが、こちらの方でもご紹介したいと思います。

ブックレビューでもいろいろな形態があるのですよね。表紙だけで内容は書かないとか、レビューみたいなの書いているのとか?何となくバトンを頂いた方の形を継承しますが、内容に関しましてはどうぞお手柔らかにお願いいたします。

ドイツ・音楽関係でバトンをいただいたので、最初はとりあえず専門分野から。
Hans-Joachim Falkenberg, "Wilhelm Sauer 1831-1916", Orgelbaufachverlag Rensch, 1990.

日本ではパイプオルガンというとバロックのオルガンをイメージしたくなるかも知れません。また、日本に設置されている多くの楽器が大概同じような戦後からバブルの時期に製作されてきたので、何となくステレオタイプ的な印象も否めません。

もう少し長い目で見てみると、音楽にもいろいろな様式があるように、パイプオルガンも時代や地方によって様々な異なる性格の楽器が生み出されてきました。Wilhelm Sauerは丁度ロマン派・後期ロマン派の時代の重要な楽器を多々製作したオルガンビルダーです。Max Regerの作品の多くはライプツィヒのトーマス教会などでKarl Straubeによって演奏されましたが、この時代のトーマス教会のオルガンもSauerの作品です。

この本が出版された1990年には、これほどまでSauerについて詳細に書かれ、また、現存するSauerのオルガンを収録したものはなかったと記憶しています。最も私も大学に入りたてで何もかもが新鮮だった頃なので、他に知らなかっただけかも知れません。この本を編集したFalkenbergという人がDupreやCavaille-Collの楽器についての、たくさん写真がついた本を幾つも出版しており、Falkenberg氏の追っかけのように、出版される本は事前予約していました。私が敬愛するオルガニスト・作曲家のJeanne Demessieuxの本だけが未完に終わってしまい、残念で仕方ありません。

さて、内容は本当にマニアックになってしまうので詳細は書きませんが、生涯と楽器の特徴、そして1台ずつの来歴や特徴などが記載してあり、設置されている教会の情報を調べて合わせてみると、楽器の響きやどんな音楽がどのように演奏されていたのだろうと、とても楽しく想像できます。丁度その頃私自身もSauerの楽器に初めて出会ったこともあり、かなり読み溜めた上で、教会音楽の国家試験のオルガン建築学の試験ではWilhelm Sauerをテーマにしました。

...という訳で、私にとっては愛着のある本です。

そして。
カトリック五反城教会のオルガンの製作者Willi PeterはW. Sauer社で修行し、Sauer社の西側における支社設立の為にケルンに派遣された人です。Sauer社は本社が東ドイツにある為、東西分断後、必要に迫られて独自のPeter社が設立されました。
五反城教会のオルガンが造られた当時ペーター社は「脂の乗った」時期を迎えており、今でも歴史的だったと言われる精鋭整音師がパイプ一本一本を手にとって音を創り上げた楽器です。パイプもRösslerというオルガン学者と共同で開発された非常に珍しい種類が幾つか含まれています。丁度この時代の楽器が現在ドイツでは邪険に扱われがちとなっていますが、この楽器は絶対に、このまま保存して大事にしていくことで、将来必ずその歴史的価値が認識されることと思います。

Wilhelm Sauerも孫楽器が日本で設置されることは想像していなかったと思いますが......。



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by mausmirabilis | 2020-05-10 19:45 | 風琴亭の本棚

心に・響いた・本

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「ニューエージ」とかってよく言われますが、この本を書いた人は、1864年に生まれています。今のニューエージ世代の著書を読んでいるみたいで、この著者の略歴を読んだときには、ちょっとびっくり。
でも、この本のメッセージは、いつの時代でも、どこの人にも伝えられて不思議は無い、いや、伝えられるべきのものなんだなって思う。

「朝、明けの明星がまたたくのをやめる前に、真実の覚醒の瞑想のために時間を取りなさい」
......早起きがなかなかできない私には、これは少し痛かったけど。
by mausmirabilis | 2008-12-18 23:37 | 風琴亭の本棚