昨日のコンサートで弾いたオルガン。
Marienhospital, Koeln.
1909年 Klais社製 2段鍵盤13ストップ
1909年、と、ケルンにしてはとても古い楽器。このあたりのこの時代の楽器は殆どが戦争で焼けてしまったか、時代が変わるにつれてその時代に目新しかった楽器にとって代わっていったかどちらか。
この楽器はカトリックの修道院が母体の病院のチャペルにあるもの。一ヶ月に一回、オルガンに限らず、中世の音楽からジャズに至るまでの幅広いジャンルのコンサートを行っていて、入院中の患者さんは、入場無料、病内テレビでもコンサートが見れて聞ける、とても意義のある催し。
勿論一般の人も入れて、こちらは普通に入場料を払ってもらう。でも、7ユーロと、とても良心的。
私は「女性作曲家」の作品集をここで弾きました。
2段鍵盤13ストップ。
ストップを書き出す代わりに、写真で代用。すごいずぼら。ぬはは。
でも、これだと、古いストップも見れておもしろいかなって思って。
ペダルもd1までです。
だから、普通のオルガンとはペダルの位置が少し違います。すぐ慣れるけどね。
これはおまけ。
古いオルガンなので、ふいごを足で踏んでいた時代の形跡ありし。
13ストップにしてはとてもパワーのある、でも優しい響きのオルガンでした。
あと40年もすると、同じ大きさの楽器でも倍音の強い、きつい響きの楽器が造られるようになります。
この楽器は、見かけによらずしっかりとした響きがでます。でも、聖堂内でふんわりと柔らかくこもり、どのストップを組み合わせてもそれぞれの性格がよく表れる響きとなります。
アクションはプノイマティック(機械ではなく、空気で伝達するアクション)なので、「ふ・わ」と、発声します。タッチもとても優しく、睨んだりしたら、もう、すぐに音が出てしまいそうなぐらい。
なので、優しく、優しく、オルガンに歌ってもらいます。
病院に入院している方にも、オルガンの優しい響きと、女性作曲家のあたたかい音楽が伝わっていますように......。