C.フランク生誕200周年 & O.メシアン没後30周年
パイプオルガンコンサート み国の来たらんことを
ADVENIAT REGNUM TUUM - ein Orgelkonzert mit Werken von C. Franck und O. Messiaen
セザール・フランク(1822-1890)
「3つのコラール」より「第3曲 イ短調」
「3つの作品」
幻想曲イ長調【受難】
カンタービレ【聖土曜日の墓の安息】
英雄的作品 【復活】
オリヴィエ・メシアン(1908-1992)
主の降誕 全曲
César Franck
Choral n°3 en la mineur
Trois Pièces pour grand orgue
Olivier Messiaen
La Nativité du Seigneur
パイプオルガン 吉田文 Aya YOSHIDA
2022年11月30日(水) 開場/17:45 開演/18:30
愛知県芸術劇場コンサートホール 全自由席 3000円
チケット取り扱い 二宮音楽事務所 052-505-0151
チケットぴあ・Pコード219-129 / 芸文プレイガイド
本公演では、今年生誕200周年を迎えるセザール・フランク、そして没後30周年となるオリヴィエ・メシアンに焦点を当てたいと考えました。両者とも教会オルガニストであり作曲家であり、フランス音楽の要です。
フランクの後年の2つの作品集「3つの作品」(1878)と「3つのコラール」(1890)は、通常それぞれの曲集に収録されている作品が単独で演奏されます。しかしこの2つの作品集は、ヴィドールらの後継者によって開花されたオルガン交響曲形式の礎と見なすこともできます。フランクが残した後世への影響を再確認する為にも今回は、一つの作品集を交響曲の様に一連の流れとして演奏
したいと考えました。
とりわけ「3つの作品」には「受難」(幻想曲イ長調)、「聖土曜日の墓の安息」(カンタービレ)、「復活」(英雄的作品)の意図が組み込まれているという説に着目し(Bungert,2019)、キリストが苦しみを受けて十字架につけられるという受難と、それに続く復活によって可能となったとされる「み国(=神の国)の到来と実現」へ思いを馳せ「平和の実現と体現」への祈りを重ねたいと思います。
プレ・プログラムとしてフランク最後の大規模なオルガン作品であり、最も知られている作品の一つである「コラール第3曲イ短調」を演奏いたします。
パイプオルガンの作品はキリスト教文化の上に成り立っていますが、その信仰の中でも宗派を超越した最も重要な祈りが、キリスト自身が教えた唯一の祈りである「主の祈り」です。公演名に含まれる「み国の来たらんことを(み国の到来と実現)」とは「主の祈り」の前半部分で唱えられる句であり、神の愛との交わり、即ち「永遠の平和と一致のうち」に「私たちの存在そのものが平和と愛の存在と一体となること」を祈っています。教会音楽家であったパイプオルガン作品の作曲者たちも必ず毎日祈っていたことでしょう。
2022年の今、私たちの祈りに世界を動かすことができる力があるのならば、民族や国家を超えて存在する平和な社会、そして本来の自然の姿と与えられた生命に感謝しながら、調和のうちに生きることができる世界を、誰しもが願うのではないでしょうか。
また「み国の到来と実現」の為には、イエスの受肉=生誕が大前提となります。
メシアンは、降誕=クリスマスを単なる牧歌的な情景として描写するのではなく、神のひとり子であるイエスが神から世界に遣わされ人として生まれるという受肉の神秘を9つの作品を通して表現しました。「神の愛のうちに全ての人々が一つとなり、その瞬間に『神が我らのうちに誕生』する」という、梵我一如にも通じるメッセージ性が、この作品から伝えられてきます。
オリヴィエ・メシアンの「主の降誕」は1935年に作曲された初期の作品であり、メシアンの近代的な作風に不慣れな方にも比較的聴きやすく理解されやすい作品です。クリスマス前の心の準備期間である待降節が11月27日から始まるこの時期だからこそ、是非ともお聴き頂きたいと思います。
キリスト教典礼を通して発展した楽器と作品を通して、私はこれまでのリサイタル同様に一宗教の枠を超えて、世界の普遍的な平和への祈りと調和に満ちた未来の創造の為に本公演を捧げたいと思います。
吉田文(あや)
名古屋生まれ。中学卒業と同時に単身渡独。ドイツ国立ケルン音楽大学カトリック教会音楽科、並びにパイプオルガン科を卒業。ドイツ国家A級カトリック教会音楽家資格、およびドイツ国家演奏家資格Konzertexamen取得。
17歳で由緒あるパーダーボーン大聖堂のオルガン・ツィクルスに抜擢されて以来、ヨーロッパ各地で活発な演奏活動を続けており、諸国のオルガンコンサート、音楽フェスティバル等に招待されている。2014年にはベルリン・コンツェルトハウスより招聘を受けリサイタルを行った。多々の世界初演、日本初演。
1992年秋愛知芸術文化センター新設時にはコンサートホールのオルガンデモンストレーションに協力、同センターをご視察の皇太子殿下(現天皇陛下)、秋篠宮殿下夫妻、ロス・アンジェルス市長を前に演奏した。
1995年より2006年までケルン南部司牧地区教会音楽家として勤務。典礼音楽の総責任者、またコンサートシリーズの企画・運営、教会音楽フェスティバルの総監督としても活動。独自の企画による2枚組CD「Streiflichter」は多くの現地専門誌で高得点を得るなど、その芸術的価値・歴史的価値は多大な注目を浴びた。
2006年より活動の拠点を日本に移し、オルガン音楽と教会音楽の普及に力を入れている。オーケストラ、合唱、諸編成アンサンブルのパートナーとして国内外の奏者より定評を受けている他、現代舞踊等異文化とのコラボレーションにも力を入れている。
2012年にはTh. マイヤー=フィービッヒが補作完成、編曲を行なったJ.S.バッハの作品を集めたCD「Fantasy 1720」をニューヨークのzoho社からリリース。その他「ケルンのクリスマス」「女性作曲家による作品集」「Streiflichter」「Ave Maris Stella」が発刊されている。
平成27年度名古屋市民芸術祭特別賞受賞。令和3年度にはパイプオルガン愛好者の裾野拡大に貢献していること、そして祈りの楽器であるパイプオルガンを通して人々の心を豊かにする音楽を伝えている活動などが評価され、名古屋市芸術奨励賞を受賞した。
名古屋女子大学准教授。南山大学非常勤講師。南山大学エクステンションカレッジ、朝日カルチャーセンター名古屋講師。日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員。
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