明日となりました。
これまで本当にたくさんのコンサートを演奏させて頂く機会に恵まれ、幸せなオルガニスト人生を歩んで来ました。
毎回の公演で、このコンサートが人生最後で最高のコンサートであるようにと思いながら、弾いてきました。
その中でも明日の公演は、私のオルガニスト人生半世紀の締めくくりであり、次の時への初めの一歩ともなるものです。
メインは、私がバッハと同様に最も尊敬しているオルガニスト・作曲家のジャンヌ・デメッシューの作品を演奏します。
この作品は、ドイツの国家演奏家資格取得試験(大学院の様な位置付け)で演奏したものでもあり、技術的にも解釈的にも難解なものではありますが、近代フランス音楽の中でも非常に重要なレパートリーだと思います。この作品がなかったら、もしかしたらメシアンの聖霊のミサもなかったのでは?とも考えることもあります。
理解しようとすると難解かも知れませんが、心で音楽を受け入れると摩訶不思議な響きは作品の響きのうちに私たちを包み込んで、次元や時空を超えて、まだ地が混沌としている創世期から、輝かしい天上まで連れて行ってくれる、ミラクルで素晴らしいものばかりです。
オルガニストとして必ずしも幸せではなく、47歳で早世した彼女の音楽を、生誕100周年の今年に解き放ちたいとも思いました。
また、この1年半に及ぶコロナ禍で、祈ることしかできない日々も経験しました。
世界を革新する力でありながら、私たちひとりひとりの中に本来備わっている筈の、神や宇宙や自然とつながる力である聖霊へ向けた祈りの時を創りたいとも考えました。
なかなか歌われる機会の少ない、聖ヒルデガルド、中世の修道女であり教会博士、の聖歌も解き放たれます。
古来からの祈りの表現である歌と踊り、加藤佳代子さんの聖歌と倉知可英さん、そして可英さんのお弟子さん方の踊り共に、みなさまと共に、未来を築く力をオルガンの響きと共に感じられるひとときとしたいと思っています。
明日13時30分より、愛知県芸術劇場コンサートホールにて、15時30分終演予定です。
是非お越しください。