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風琴亭

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コンサート2つ終了しました。

6月7日(日)カトリック五反城教会にての「名古屋オルガンの春」、そして
6月10日(水)愛知県芸術劇場コンサートホールにての「パイプオルガンブランチコンサート」
両方とも無事終了いたしました。

「オルガンの春」の方はチケットを発券していないので先着順で100名までとしましたが、実質は28名のお客様にいらしていただけました。お引き取りいただくことになってしまったらどうしようかとドキドキしていましたので、却ってほっとしました。教会聖堂の大きさに対しても、密にならず余裕を持って座れる間隔は、丁度良かったと思います。

芸文での「ブランチコンサート」も同じく文化庁からの方針を踏まえて1800定員のところを100名限定での公演となりました。こちらの方は数日前にチケット販売を打ち切らないといけなく、お越しいただけなかった方にはとての申し訳なかったです。代わりに、にはならないかも知れませんが、二宮音楽事務所がコンサートの模様を編集してそのうちにYouTubeに載せて下さる予定です。

両コンサートとも、県下でも緊急事態解除後の公のコンサートとしては最初のものだと思います。
100人という制限があっても、やはり直接お客様に本物の響きを届けられるのは、とてもうれしいです。
目に見えない感情やたくさんの思い、願い、祈りが一つの宇宙=コスモスのようになって渦のように響いている空間の中に、音楽や踊りが投入されることにより、新たな渦や波動を巻き起こし、新しい感情や忘れていた思いを呼び起こし、たくさんの見えない世界への扉が開かれていく...。そんな感覚の中であっという間に過ぎたそれぞれの1時間でした。

今日の「ブランチコンサート」は、本来のプログラムでしたら私が一人で演奏する予定でしたが、まだまだ先が見えてこなかった5月に、私だけではなく是非多くの仲間たちの舞台を共有したいと思い声をかけてみたところ、ソプラノの本田美香さん、舞踊の倉地可英さんと加藤おりはさんから直ぐに快諾をいただきました。バリトンの能勢健司さんはぎりぎりまで都合が判らなかったのでHPなどでのお知らせができなかったのですが、結局お忙しい中に駆けつけてくださいました。ソリストのみなさんにこの場に於いて深くお礼申し上げます。おかげさまで、充実して、多彩な素敵な舞台となりました。

まだまだ他のアーチストや団体が活動や演奏の場を模索している中、手放しで喜んでいる場合でもありません。もちろん健康と安全が第一に守られるべきでもあります。
でも、できる人ができるところから、少しずつ動かせることを動かしながら、芸術が心と身体に直接届いて響くプレゼンテーションの方法を模索していかなければいけないと思っています。

この世から音楽の響きや舞台の鼓動や芸術の感動がなくなってしまったら、人の心は廃れてしまうのではないかと心配です。人間は時代や時空を超えて、祈りながら、目に見えない存在と対話しながら生きてきました。芸術は、目に見えない存在との対話、そして自分自身の深層との対話のきっかけになるのではないかと思っています。外から与えられるモノが人生を豊かにするのではなく、自分の中から涌き出でる感情や表現、そして想像力や創造力が人生を豊かに幸せにし、生きる力を築くのだと思います。

私はパイプオルガンという個人で演奏する楽器を専門としているので、練習は一人でできます。楽器と場所さえあれば、いつでも弾けます。3月の初めからだんだんコンサートや舞台が中止・延期になっていった時も、いつかまた始められる時が来たらいつでも始められる様に準備しておこう、とも思っていました。
日曜日と今日、大きなことは動かせませんが、少しでも自分にできること〜オルガンを弾くこと〜で、音楽がまた響きだしても大丈夫だよ、音や世界は響きたがっているよっていう思いを、誰に向けてという訳ではありませんが、解き放ちたかったのかもしれません。
そして、たくさんの仲間たちと、お客様と一緒に響き会うのは、本当に楽しいって改めてありがたさを感じました。

大切な友達から教えてもらった大切なもののうちに「毎日が小さな幸せの積み重ねとなりますように」という言葉があります。音楽や芸術が小さな幸せのかけらとなれるといいな、とも思っています。




by mausmirabilis | 2020-06-10 20:31 | コンサート関係 | Comments(0)