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風琴亭

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【7日間ブックカバーチャレンジ⑤】

5日目です。
遠藤周作「沈黙」(1966)

学生の頃は、なぜ自分がパイプオルガンなどというディープな西洋の楽器を弾いているのだろうか、とか、日本人でありながらカトリックというのはどういう存在なのだろうか、などという自分のアイデンティティーに関していろいろと考えることもあり、遠藤周作、そして曽野綾子や三浦綾子の作品を読みふけっていました。
日本に帰るたびに文庫本をトランクに詰めてドイツへ帰り、入手できる本はほぼ全て読みました。今思うと、なんでそんなに時間があったのかと不思議ですが......。今は自分の好きな本を読んでいる余裕がなかなかないですが、あの頃たくさん読めて良かったなあと思っています。ご飯食べながらも、寝る前も、移動の時も、練習の合間も本を読んでいたし、かばんには絶対2冊ぐらいは文庫本を常備していた。
ドイツに19年いて日本食を恋しいと思ったことはないけれど(今でも特に必要なくて炊飯器ありません...)、日本の文字は重要な栄養でした。

遠藤周作つながりで、佐藤愛子や田辺聖子、北杜夫の作品もほぼ完備していたほか、林真理子も楽しかった。向田邦子も大好きで、ボロボロになるぐらい読み返したし。あと、好きだったのは、池波正太郎。真田シリーズだけ読んでいませんが、あとは多分読破している。時代物からみでは平岩弓枝も好きです。一人の作家に傾倒して読んでいくタイプです。(中学生の頃は平井和正とか。幻魔大戦シリーズも狼シリーズも何回も読んだ...。)
遠藤周作を起点に、キュブラー=ロスを初めとする死生学系の本も随分読んだし、そこから松谷みよこや柳田邦夫に飛んだり、随分影響を受けていると思います。

...ですが、文芸作品で一番強い印象を受けたのは、やはり「沈黙」。
その頃はドイツにいたけれど、ドイツではなく日本でオルガンを弾いていくんだろうなあって心の奥にあり、しかし、なぜあえて日本で楽器も少ないオルガンで、何を伝えたいんだろうっていう自分探しの旅を、「沈黙」を読みながら何度も何度もしていた時代もありました。アイデンティティーに関しては、かなり早い時期に、私は私と開き直りましたが。

で、今日はなぜその本のカバーではないかというと、本が増えすぎてドイツから引っ越す時に持ち帰れず、文庫本の全部と、結構な量の書籍を現地の日本人会に引き取ってもらって、それ以来買っていないから。

また、そろそろ文庫本を一冊ずつ買って読みためていきたいなあと思うのですが、近眼なのでコンタクトや眼鏡をしていると、このごろ文庫本の細かい字が見えなくなってきた.......。


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by mausmirabilis | 2020-05-14 20:03 | 風琴亭の本棚