ブログも放置したまま数ヶ月が経ってしまいました。たまに訪問に来てくださっていたみなさま、すみません。
何だか、今日になってやっと、これとあれとそれとこれを今!しないといけない......というのがなく、風琴亭でも開いてみようか、という気持ちのゆとりが出て来ました。
今日は夕方から岐阜県交響楽団さんのリハーサルなので、午後までは特に何もないのです。
(アイロンかけの山はありますが。)
今年。
忙しかったなあ。とりあえず。
1月
オルガニスト人生の中でも、本当に素敵だった結婚式で奏楽させてもらいました。
お父様がオルガンやクラシック音楽が好きな方でもあり、母の世代から親しくさせていただいている方でもあったので、選曲も半年ぐらい前から相談していました^^
典礼でも、コンサートでも、曲を選ぶのって楽しくワクワクします。
(練習するときになると、何でこんなに練習しないといけない曲を選んだんだろって泣きたくなる時もありますが。)
入堂前はBWV147。私はデュルフレの編曲が好き。
入堂にはバッハの変ホ長調でした。この曲は、私の中で結婚式には一番おすすめしたいです。バッハの天の響きそのもの。
(長いから最初の部分しか弾けないかも知れないけれど、時間に余裕があれば、本当は8分ほどゆったりと響きに浸ってから式に臨んでほしいと思います。)
朗読とお説教の後にAve verum。
内容が十字架の苦しみを受けたイエスの脇腹から出た水と血が...という言葉も出てくるので、結婚式にはどうなのかなあ?と思いながらも、先方の強い希望もあり、曲目に加えましたところ;
神父様のお説教が、相手を愛するということは自分の身を割いてでも相手を思い、大事にすること(随分簡略しましたが)という内容で、いやぁ〜、もうこれはこのお説教の後にAve verumはどんぴしゃり!!感動すると共に、教会音楽家である醍醐味を感じ、ちょっとドイツで教会音楽家をしていた頃が懐かしくなり、こんな式にオルガンで参加できた幸せを感じ。
ちなみに後奏はシャルポンティェのテ・デウムの前奏部分。
2月3月は比較的おっとりと過ぎていきます。
学生の卒業演奏会とか、いろいろあるけれど。
あ、でも、この頃から実家の片付けを始めました。何せ祖父母の世代の前の世代の物から残っていた…
4月前半は新学年と新学期の準備でひゃ〜っとなりながら過ごします。
後半になると授業突入。
領域「表現」という授業を持っているのですが、4クラス分4回同じ(と言っても同じ授業にはならないけれど)内容の授業を行います。リトミックなど身体を動かしたりするものもあるし、体育館のような広いところで声を出しながら指示していったりするとへろへろ。今年は月曜日に3コマ連続でこの授業があり、3コマ目になると意識が朦朧としてきます......。(1日に4コマあった年もありましたが、流石に無理。)その前後に他の授業がある日もあって、月曜日だけで5コマ、1週間分の授業のノルマ1日でほぼ完了!などと思いたくなる週もありました〜。
昨年度までは短期大学部の音楽を教えていた南山大学の非常勤のお仕事も、今年から四大の方の授業となり、内容も典礼音楽に特化したものとなったので、こちらも授業内容を新しく構築しなおし。
まあ、自分の本来の分野なので、楽しく(私だけか?)授業をしていましたが。
5月。
プログラム全てがオルガン伴奏。弾き甲斐あります〜。合わせる時間がほぼないので、全てを完璧に準備しておかないといけないです。頑張りました、私。
武蔵野文化会館のマルクッセンのオルガンは、前にも一度弾いたことがありますが、その頃はマルクッセンの良い響きの楽器でした。
昨年だかに、新しく整音しなおしたのですね。このコンサートの後に、オルガニスト教会の出版物でその内容を読みました。
私は、前のマルクッセンの響きのままにしておけば良かったのにと思います。
国際コンクールを行うから広いレパートリーを弾けないといけない楽器でないといけない、というのも理解できないことはないけれど、私は、その楽器の一番良い響きを伝えるのがオルガニストの役目だと思っています。だから、コンクールでも演奏会でも、その楽器に合わないレパートリーを演奏する機会も多々あると思いますが、そこで、そのレパートリーに合わない楽器からどれだけのものを引き出して、作品を一番良い状態で聴き手に伝えるかというところに、オルガニストの技量も含まれると思います。それもコンクールの評価対象にすれば良いのに。
オルガンがオルガニストの趣味に合わないから、オルガニストの弾きたいレパートリーに合わないから、という理由で、ドイツでも多くの歴史的に重要なオルガンや品質の良い楽器が撤去されようとしています。本当に危機感を感じています。名前は出さないけど、今はDortmund やLübeckの名器が危機です。オルガンに合ったレパートリーを弾いたり、奏法を少し変えてみたりすればオルガンは生きるのに。
現代の、ある意味ではデカデントな風潮なのかも知れません。
5月27日。
オルガンの春のコンサート。グレゴリオ聖歌とオルガンということで、初めて「東山教会グレゴリオを歌う会」の方にもご一緒して頂きました。
東山の方は歴史を辿れば戦後からグレゴリオ聖歌を歌い続けて来た方もいるほどです。
歌う方はプロではないかも知れませんが、祈りを歌うということに於いては年季が入っています。
本当に歌い継がれてきたグレゴリオ聖歌をお届けできているといいな。
そして、その後。6月〜8月。炎天下。
実は現在実家を解体し、新しく建て直しております。
で、6月からは8月まで週末と休みの日は実家へ通い、整理整理整理。
というか、鬼のごとく断捨離。捨てて捨ててとにかく捨てました。
人生の中で、2番目ぐらいに大変だった......。
8月〜9月。
ドイツに行っていました。
朝日カルチャーさんの現地講座の参加者の方とも1週間ご一緒し、たくさんオルガンを聴いて弾いて、美味しいものを食べて!
コンサートもいろいろ弾いて来ました。
9月後半
怒涛の後期突入。
というか、本務校の方の授業は、例年通りなのでそれほど大変ではないのですが、
非常勤の南山大学の、300人相手の講義が始まり......!
それもクォーター制の講義で(前期の典礼音楽は実質セメスターと同じ様な配分だったのでそんなに大変ではなかった)、毎週2コマ分の講義を8週間連続してするもの。
私、音大出身なので、300人の講義って受けたこともなく見たこともなく、最初は途方にくれました。
が。
考えてみたら、コンサートホールは1500人ぐらい入るし、300人は室内楽ホールぐらいか〜と思い、まあ何とかなるか、と。
しかし、学生300人。一般教養科目。音楽。(「ミサ」がお題。)
.........寝るだろうなぁ〜.........
結果。
教員:水曜日の授業に向けて火曜日の夜はいつも10時か11時ぐらいまで授業準備。がんばりました。
学生:寝たり内職をしたりする学生が出てくるのは仕方がないと割り切って、でも、本当に興味を持って聞いてくれる学生の割合が意外と多く、驚きもし、うれしくもあり。
結果その2。
300人分のリアクションペーパーと、300人分の期末テストの答案用紙を前に、途方にくれております。
1月末までに採点しないといけない。
9月〜11月
オルガンの秋や、東京室内混声さんの定期演奏会があり、
学生の実習訪問指導も嵐のごとくあり、
必死に朝日カルチャーセンターの講座準備をし、
11月7日に南山の講義は終わり、
12月に突入。
6日に、岐阜県交響楽団さんと十六銀行のプロメナードコンサートでご一緒しました。
芸文のオルガンをクリーニング、再製音してから最初のコンサート。
芸文のオルガンは、元のオルガンの響きは変えずに、下の支えとなる部分がより響く様になっています。
それに伴って、高音の倍音もしっかりと支えられて今までより、より一層美しく響くようになりました。
そんなオルガンと一緒に、サン・サーンスの交響曲第3番を松尾葉子先生の指揮の元に(実家に帰った様な安心感〜)弾かせていただいて、何だか音楽の渦の中にいるのがうれしくて泣きそうになりながら最後の部分を弾いていました。
今日はこれから、明日の岐阜羽島での岐阜県交響楽団さんの定期演奏会のリハーサルに行ってきます。
楽器は、ローランドのものを個人の方からお借りしていただいたそう。
ローランドは初めてなので、どきどきしています。
今年はあと、22日のクリスマスのおはなしです。
来年。
ブランチコンサートは再開しますか?というお声を多々頂き、
はい、その方向で動こうと思っています。
オルガンの秋は、多分3月ぐらいから始まります。
今年は「典礼暦」でプログラムを組みます。
長くなりましたがお付き合いくださいましてありがとうございます。
次はいつの更新になるかわかりませんが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします m(_ _)m