今期の南山大学エクステンションカレッジのグレゴリオ聖歌のお題は、レクイエム・死者のためのミサ。
「鎮魂歌」って訳されるけれど、魂を鎮める......って随分ニュアンスが違うような気もするけどなぁ。
(それから、日本では何で、レクイエムの「ク」にアクセントが置かれるのかも腑に落ちない。ラテン語では「レ」にアクセントがあるんだけれど......。)
ドイツでも一、二世代前の人たちは、葬儀の度にレクイエムをラテン語で歌っていたか聞いていたか。
でも、私がいたのは既にバチカン公会議以降なので、さすがにラテン語のレクイエムは一般の小教区の教会では使ったことがなかった。
...ので、講座が始まる前に、講師もひと通りおさらいをする。
Graduale(グラドゥアーレ・昇階唱)という、第1朗読の後で歌われる聖歌をさらっていた時。
......むむ、何だかこの旋律、知ってる......って思って記憶を辿ったら、復活祭に歌われる大きなGraduale、「Haec dies」と同じ旋律だった......。
そっか〜、死者のミサと復活祭と、同じ旋律なんだ......。復活の希望がこれほど託されているんだ......。
又、この「Haec dies」は私の敬愛していた大学時代のグレゴリオ聖歌の先生のことを特に強く思い出す聖歌でもある。
その先生も、今年の5月に帰天してしまった。
父が亡くなったのことは、それなりに準備ができていたので辛いと思ったことはなかったけれど、その後に逝ったWillibrord(...と、卒業後は親しく呼んでいた)の死は、私にとってまだ辛い。
でも、この、私にとってはちょっと大きな発見をしたときに、Willibrordが喜んでくれたような気でふんわりと包まれたような気がした。