カルピス、というもの自体、何だかあることを忘れていた。
子供の頃はお中元、というと、決まってカルピスがどこからか届いた。
白っぽいのだけではなく、オレンジとか、グレープとかっていうのもあったような気がするけれど、記憶違いかしら?
先日、近くのスーパーマーケットで「復刻版カルピス」という文字が目に入って、何だか懐かしくなって、買い求めてきた。
私の記憶にあるのは、瓶がもう少し大きくて、包みが紙だった。
紙の包み紙はなんだかごわごわで、上の方には巻くようにねじってあったように思う。
気をつけないと、こぼれたカルピスが紙にくっついてしまったりして、だんだんとそのうちに、紙が汚くなってくるので、瓶の中身が少なくなってくるころには紙がはがされて、黒っぽい瓶が裸で洗い場の下の棚に、梅酒とお酒と並んで置かれていた。
紙はプラスチックの包装に変わっていて、少し味気ないな、と思ったけれど、これもご時世かな。
子供の頃は、水道水と氷でカルピスを割って飲んだっけ。
そういえば、「カルピスソーダ」というものも売り出していて、私はとても欲しいと思ったのだけれど、その頃子供にそんなものは買って与えるようなことはない家だったので、結局飲んだことがないまま、30歳台も終わりの方に近づきだしてしまった。
そうそう、炭酸水、ウチにあった......って思い出して、買ってきたカルピスを炭酸水で割ってみた。
美味しいのだか、そうでないのだか、自分でもよく判らなかったのだけれども、何だか少し大人になった気がした。