...に行ってきました(^_^)v
マックス・レーガーという作曲家、なぜだか判らないけれどあまり有名ではありません。
でも、後期ロマン派の時代に、調性から無調性へ非常に自然な形で移行していったり、何よりも素晴らしい音楽を残した大音楽家です。
特に後期の室内楽、もう、天の音楽に浸っているかと思うぐらい!
ちなみにこの人。
パイプオルガンの作品も重要なものが多い事、難度の高い作品も多い事などから、私たちの世代で教会音楽やパイプオルガンを専攻するときには、レーガーのオルガン曲がバッハの作品同様必須でした。
今のドイツの音大ではもうカリキュラムが変わっているかも知れないけれど。
しかし。
一番最初にカール・シュトラウベに渡した楽譜と、楽譜屋さんに渡した楽譜(初稿)と、現在入手できる楽譜と、微妙に違っていたりすることもある。
作曲者の最終的な意図って、どれだったんだろ?と、演奏者を悩ませてくれる作曲家でもある。
マックス・レーガー研究所は、手稿、初稿、その他楽譜から録音物、出版物等、レーガーに関することなら何でも収集、そして研究をしているところです。
なので、この楽譜のこの版のコピーが欲しい、とか、レーガーに関する専門的な質問があるときには答えてくれる非常にありがたい機関でもあります。
今回、丁度近くに行く予定があったことと知りたいがあったので、「行ってもいいですか?」って聞いたら「どうぞどうぞ」っていう感じのお返事を頂いた。
今まで、マックス・レーガー研究所というのは、専門書等の出版物で読む事によってしか触れる機会がなかったので、少し不思議な気分でもあり。
着いてみると、ドイツの典型的な霧雨。
この建物の中にあります。
看板。
このベルを押すと、研究員の人が出てきて開けてくれます。
入り口では、こんなレーガーがお出迎え。
中は、あんまり写真を撮ったらみっともないかと思って、少々遠慮。
建物は新しく見えますが、中世の壁画のあとがかすかに残っていたりする、元は古いもの。
1階は入り口だけで、2階に昇ると楽譜と音源の書庫、研究所長さんと研究員さんのお部屋があります。3階にはレーガー関係の書庫の部屋が2つと、ブッシュ兄弟関係の書庫が1つ、そして階段を挟んで反対側には現在編集中の新しい楽譜の作業場が2つ。その作業場を超すと室内楽のコンサートが開ける小ホールがあり、そこにはレーガーが弟子から贈られたレーガーの形をした貯金箱や、実際に使用していたトランクなどが展示されています。
そうそう、Breitkopf版の表紙の絵のオリジナルも、ここの壁にかかっていました。
研究所の精神的な内容は、こんなブログでは書き表せない程濃ゆいです。
今、作業中の内容を少し見せてもらいましたが、レーガー研究所お墨付きの新しい楽譜の出版準備中で、その楽譜には、楽譜本体以外にもCD-Romが付くそう。そのCD-Romでは、手稿やいろいろな版の楽譜がpdfで収録され、一つの曲でも歴代の楽譜を比較できるとのこと。
又、当時の楽器の仕様や楽曲についてのコメントも見られるものになるそうです。
パイプオルガンの楽譜が一番最初に出版される、というニュースもうれしいものでした。
又、レーガー、いっぱい弾かなきゃ!って思いながら幸せに満ちています。